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国際幼児体育学会 第5回日本学会(参加者募集)

ごあいさつ


会の再開と期待


早稲田大学 教授・医学博士

 前橋 明


 これまでの学術交流では、2019年末まで、日本の社会は夜型化が進んで、子どもたちは、遅寝・遅起きで、朝食をしっかり食べずに、朝の排便もなく、園に登園している様子、運動不足の様子が目立ってきたことを報告し、皆さん方との交流を重ねて参りました。社会生活が夜型化し、働く母親が増加、保護者の勤務時間が延長されることも一因となり、日本の子どもたちの生活のリズムにくるいが生じてきたことをお伝えしてきました。

私の研究室の研究・調査から、幼児の夜型化の誘因になっているものは、①日中の運動不足、②テレビ・ビデオ視聴の長さ、③夕食開始時刻の遅れであることがわかりました。

その後、2020年から、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や運動規制が加わり、子どもたちは、ますます外に出て動かなくなりました。もちろん、皆様との学術交流も延期になることが多くありました。

コロナ禍になった結果、子どもたちの外あそびは激減し、室内でのテレビ・ビデオ視聴だけでなく、動画視聴、いわゆるスマートフォンやインターネット等を使っての静的な活動や目を酷使する活動が増えてきました。

結局、体力低下だけでなく、視力低下の子どもたちが増え、また、運動不足・食(おやつ)の不規則摂取による肥満や、逆に食の細いやせ傾向児が増え、普通体型の子どもたちが激減する結果となりました。

 さらに、義務教育時代に、子どもたちのあそびがオンラインゲームばかりになった場合、その後の成長にどんな影響が出るかを話し合い、デバイスの過度な利用による影響と外あそびの効能を、この機会に皆さん方とも、しっかり話し合っておきたいと思いました。デジタルデバイスの過度な利用によりもたらされる心身へのネガティブな影響については、多くの保護者や教育者が懸念していますが、その影響に関するエビデンスは、まだ十分に議論されていません。デバイスの過度な利用がもたらしうる子どもたちの健全な成長への負の影響について、これまでの研究や調査の結果をまとめ、その負の影響を、外あそびが打ち消しうるかどうかについて、しっかり検討し、デバイス利用と合わせて、外あそびが奨励されることの重要性について、皆さんの研究知見や実践経験とも交流し、確認していきたいと思っています。

 要は、屋外で過ごす時間の著しい減少と、デバイス使用時間の増加は、近視発症や運動不足、体力低下を引き起こす可能性が高いです。また、長時間のデバイス使用は、姿勢に影響し、子どもの頭部や頸部屈曲を引き起こす可能性もあります。

 今回の交流では、しっかり、良き知恵を出し合って、時代の変化に合った形で、子どもたちの健全育成、体力向上に寄与できる知見を学び合っていきたいと願っています。



国際幼児体育学会 第5回日本学会

 本年9月9日(土)・10日(日)に、国際幼児体育学会第5回日本学会を開催いたします。只今、研究発表と実践報告を募集しているところです。現在までに決定した主な内容を、ここに紹介しておきますので、ふるって、ご参加いただければ幸いです。


日時: 2023年9月9日(土)、 10日(日)

場所:早稲田大学所沢キャンパス (〒359-1192 埼玉県所沢市三ヶ島 2-579-15)



主な内容

1日目:9月9日(土)

・ 基調講演

 前橋 明(早稲田大学 教授 ・ 医学博士)

 「外あそびに、デジタルデバイスによる負の影響を打ち消す効能があるか、考えてみよう」

・ 講演1

 石井浩子(京都ノートルダム女子大学教授)

 「夜型生活の中で育つ幼児の抱える問題と対策」

・ 講演2

 佐取由子(株式会社ジャクエツ) 「乳幼児の運動遊具開発」

・ シンポジウム1 「コロナ禍を経た子どもたちのの変化と今後の対応-デジタルデバイス

          利用状況と体力 ・ 生活状況の変化-」

 シンポジスト

  宮本雄司(川口短期大学 ・ 博士(人間科学))

  五味葉子(早稲田大学大学院 ・ 博士(人間科学))

  姜 碧瑩(早稲田大学大学院 ・ 博士(人間科学))

 コーディネーター

  前橋 明(早稲田大学教授 ・ 医学博士)

・ 講話

 山梨みほ(昭和女子大学)

 「乳幼児期からの運動あそび-生き生きとした子どもたちを育むために-」

・ 実践報告

 山本信吾(TSKスポーツコミュニティー)「幼児体育の実際と今日の課題(仮) 」

 菊地貴志(国際幼児健康デザイン研究所)

 「朝の運動活動における実践指導報告〜大阪府守口市Nこども園での取り組みについて〜」

 中川 純(SOTO sports club)

 「地域活性化に向けたSOTO sports clubのイベント実施報告」

 対馬広一(認定こども園文の里幼稚園)

 「ふれあい運動ゲームやルールあそびが子どもたちにもたらすもの」


2日目:9月10日(日)

・講演3

 泉 秀生(東京都市大学) 「乳幼児の規則正しい生活のために家庭・園でできること」

・講演4

 竹田昌平(三重県生涯スポーツ協会)

 「サステナブル経営における幼児の健全育成と社会への貢献-三重県生涯スポーツ協会の事例から-」

・講演5

 石川基子(特定非営利活動法人 向あそび場計画)

 「身体表現あそびから考える自然体験活動の重要性」

・シンポジウム2 「幼児期の生活習慣と健康促進-中国、台湾、日本の取り組み-」

 シンポジスト

  陳 志鑫(早稲田大学大学院・修士(人間科学))

  満処絵里香(早稲田大学大学院・修士(人間科学))

  肖 思雪(早稲田大学大学院)

 コーディネーター

  野村卓哉(認定こども園文の里幼稚園副園長/早稲田大学大学院) ・研究発表

・研究発表

 下崎将一(Sports Interface) 「自然あそびから育む感動体験」

 小石浩一(早稲田大学大学院・修士(人間科学))

 「コロナ禍における幼児の体力・運動能力の変化と課題」

 野村卓哉(認定こども園文の里幼稚園副園長/早稲田大学大学院)

 「幼児の外あそびと睡眠との関係」

 照屋真紀(沖縄女子短期大学・修士(人間科学))※調整中

 池田修三(株式会社ジャクパ)※調整中

 尾木文治郎(高知県佐川町教育委員会)※調整中

 橋川恵介(三重県生涯スポーツ協会)※調整中



大会参加方法について

1)大会参加費(いずれも、大会抄録集1冊の代金を含みます)

 事前:(会員)1,000 円,(一般)3,000 円,(大学院生)2,000 円,(学生)1,000 円

 当日:(会員)1,500 円,(一般)4,000 円,(大学院生)3,000 円,(学生)2,000 円

2)申し込み方法

 参加申し込みは、大会前日の 2023 年9月8日(金)までとします。別紙の『国際幼児体育学会日本学会申込書』に必要事項をご記入のうえ、E-Mail に添付していただき、大会事務局(早稲田大学前橋明研究室内 t.nomura@fuji.waseda.jp)まで送信ください。発表者の参加申込書と原稿の提出は、2023 年8 月 10 日(木)の必着とします。

※要項・申込書は、学会HPにも掲載しますので、ご覧ください。

3)発表抄録原稿について

・タイトル(第1行目~2行目)、発表者氏名および所属(第3行目~4行目)、本文(第

 6行目から)の順 に、2段組で作成してください。

・用紙サイズはA4版を使用し、4枚以内で作成してください。

・余白は、上 20mm、下 20mm、左 20mm、右 20mm に設定し、図表、写真は、鮮明な

 ものを使用してください。カラー写真であっても、印刷のでき上がりは白黒になります。

・講演やシンポジウムの発表要旨の形式も同じです。ページ数はお任せしますが、抄録編集

 の都合によりご相談させていただくことがあります。ご了承ください。

・原稿締め切りは、2023 年8月 10 日(木)必着とし、E-Mail に原稿(Word と PDF データ)を添

 付していただき、大会事務局(早稲田大学前橋明研究室内 t.nomura@fuji.waseda.jp)までお送りく

 ださい。

4)研究発表(個人または共同研究):口頭発表

・発表時間 : 1題につき 15 分(発表時間 10 分、質疑応答5分)

5)必要経費納入について

・振込み先 銀 行 名:三井住友銀行、支 店 名:新宿西口支店(259)、

 口座番号:普通 4757582、

 名 義:イツパンシヤダンホウジン コクサイコウジタイイクガツカイ(一般社団法人国際幼児体育学会)



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